BABYMETALとさくら学院に出会った

いろんなテーマで、BABYMETALとさくら学院への愛を語ります。

さくら学院 Summer LIVE 2019 ~夏のミュージックアワー~

 

f:id:poka-raposa:20190901101232j:plain

2019年の夏はとても楽しくてたくさんの感動を得た夏でした。それはもちろん、初夏のBABYMETALのライブから既に始まっていたのですが、特に8月の1ヶ月間は不惑を過ぎた僕が恥ずかしげも無く「人生最高の夏」と叫ぶのをためらわないほどの楽しさで、これまでの僕の人生に大きな影響を及ぼしていたフジ・ロック・フェスティバルに通っていた時期を凌駕するような素晴らしい体験となったのでした。

 

84日に初めて参加したTIF11日、横浜でのさくら学院公開授業「一五一会の授業」。17日、渋谷duoでの山出愛子さんのライブ。(その裏では幕張でのSummer SonicBABYMETALがライブをしていました)そして、夏のイベントの締めくくりとなった824日、マイナビBLITZ赤坂での「さくら学院 Summer LIVE 2019 ~夏のミュージックアワー~」。昼公演と夜公演に参加させてもらったこのライブの感想を簡単ではありますが書いてみたいと思います。

 

 

◆昼公演

再開以前の旧赤坂BLITZ時代からよく足を運んだマイナビBLITZ赤坂は、近年のさくら学院にとっては主にバレンタイン公演などで馴染みの深いライブハウスです。8月24日お昼前、前日までの涼しい気候から一転して歩くだけで汗だくになるような陽射しと暑さのなか赤坂へ。昼公演は800番台後半のためフロアに入った時点で既に視界良好の場所はほとんど残っておらず、下手側最後方で開演を待ちます。会場内には夏を感じさせるJ-POPの楽曲。17日に愛子さんがライブで歌った曲も多く流れ気分が盛り上がっていたところに、ふと下手側2階の関係者席を見上げると、アミューズキッズと思しき数人の女の子がスタッフさんと共に座っていました。僕がじっと見ていると、柵に手をかけてフロアを見て…ほとんど睥睨するようにこちらを見ている子と目が合いまして、瞬間そうかな?と思ったのですが、後にやはりCiao Smilesの大島美優さんだったと判りました。自分の中でここ1カ月ほど急激に注目度が増している美優さんを直に見ることができたのは幸運なことでした。

 

昼公演の「影ナレ」は八木美樹さん。そして、定時を少し過ぎた頃に有友緒心さん・吉田爽葉香さん購買部の2人がまずステージに登場します。ジュークボックスを模したステッカーからデュークウォークに繋げる流れはさすがに安定の笑いのクオリティで、ポスターカレンダーの紹介に身長測定を絡め、(爽葉香さんと田中美空さんの最長身争いがどうなったかは)この曲でチェックしてや~!と、「負けるな!青春 ヒザコゾウ」のイントロがスタート。振り入れ時のままの並びで、つまり爽葉香さんが転入式に続いてもう一度「集合!!」を叫んで、サマーライブは成長痛を描く爽やかなパフォーマンスで幕を開けたのでした。

 

全員が横一列に綺麗に並ぶエンディングから、続いては「Hana*Hana」。2017年度学院祭以来のパフォーマンスとなるでしょうか?今年度この曲が披露されるならラップパートには戸高美湖さんが抜擢されるのでは、と思っていたのですが、なんとステージ前方に躍り出たのは "ありともり" の2人!緒心さんと森萌々穂さんが楽しそうに踊ってラップしお尻をぶつけ合うのはビジュアル的にもとても華やかです。2曲が終わった後の自己紹介を併せたMCでも触れられたように、2013年度以来となる夏の単独ライブのオープニングに2013年度の楽曲というさくら学院らしいセットリストのチョイスでした。

 

トークは全体を通して自由度が高いように見えましたが、実は綿密な準備とアドリブの大胆な組み合わせなのではないか…と思わせる部分もあり、面白かったです。このあたり、萌々穂さんはかなり頭を使っていそう(実はそんな事も無いのかも知れませんが笑)。自己紹介時のお題決めを任された藤平華乃さんが即興で出したお題は「夏にちなんで、好きな髪飾り」で、自分自身ではしっかりとオチを付けようとしていました。MCの後は「Hello IVY」、「チャイム」、「ベリシュビッッ」と今年度すでに披露済みの楽曲がパフォーマンスされ、一回ごとに完成度が高くなって来ているのが確認できました。

 

「暑いので水分を摂りましょう!父兄さんも!」と、給水タイムから再び全員でのMC。公開授業の話題が出て、更に練習をした一五一会の演奏をしたい、と言う華乃さん。爽葉香さん・緒心さん・萌々穂さんが一五一会を演奏し、フロアの父兄さんたちが合いの手を入れて完成させる「島人ぬ宝」(BEGIN)が披露されました。特筆すべきは野中ここなさんのイントロデュースから登場した2匹のシーサーこと野崎結愛さんと木村咲愛さんの可愛さ。下手後方なので対角線上の結愛さんが自ずと目に入るのですが、「スイッ スイッ」のパートの動きはもう言語化が困難なほどの可愛さです。父兄さんと一緒に楽しみたい、という生徒のみんなの気持ちに包まれたパフォーマンスでした。

 

続いてここも「キラメキの雫」、「FRIENDS」、「message」と今年度既に披露済みの楽曲。「キラメキの雫」はTIFからの3週間で積み重ねたものを感じさせ、「FRIENDS」ではオープニングで照明のトラブルがあったものの、落ち着いてパフォーマンスを続ける12人。仲さん(中等部3年の4人)のソロにどうしたってウェットな感情を刺激される「message」も、フラッグの海と相まって忘れられない光景を作り出しました。後日、配信番組で華乃さんがこのシーンに言及したこと、森先生の「知らないうちにラスト(の披露)かも知れない」という言葉。さくら学院のライブは観ている側も "一瞬一瞬" を大切にしなければいけないのだ、と改めて思い知らされます。

 

アンコールでは、ラジオDJのSEと共に上手・下手の袖から結愛さんと咲愛さん(遠くてはっきり分からなかったのですが、この2人でしたよね…?)が飛び出してきて、 「ミュージック・アワー」がスタート。夏らしい軽快だけどちょっぴり切ないメロディ、ポルノグラフィティ独特の "暑苦しさ" がさくら学院によってこんなにもキュートになるとは。「変な踊り」でフロアも一体となって盛り上がります。そして昼公演のラストはTIFで披露されてそのパフォーマンスに2014年度卒業生の4人を投影した父兄さんも多かったであろう「君に届け」でした。全体の歌のクオリティーがTIFよりも更に上がり、個人的には爽葉香さんが歌う「夕空 オレンジの…」のパートで今回も目頭が熱くなります…。この昼公演では、カバーを除けば初披露のパフォーマンスは冒頭の2曲だけで、サマーライブは今年度前半の核となる楽曲群の完成度を高め、確固たるものにする地盤固めのライブなのかな、と感じていました。

…この時までは。

 

◆夜公演

しばし休憩を取ったのち、陽が傾き始めた頃に再びBLITZへ。夜公演では500番台の整理番号。フロアに入ると自分よりも早い番号でも一段上がった視界の良い場所を確保する人も多く、再び下手側で今度は真ん中より少し前くらいの場所に立つことができました。開演前にセンターの2階席を見上げると、さくら学院のライブでは度々そのお姿を拝見している野崎珠愛さんが柵に手をかけてフロアを眺めています。自分も含めてフロアの何人かの父兄さんが手を振ると振り返してくれる珠愛さん。お姉さん同様、彼女も人に注目されるという星の下に生まれついた人なのだな、と思ったりします。

 

夜公演の "影ナレ" は購買部の2人。ちょっとしたコント仕立てで生影ナレを進めて行きますが、父兄さんのリアクションに対してしっかり反応する余裕も。いつものように「Kiss Me Again」からチャイムの音が鳴り、ライブがスタートします。一曲目、さくら学院のバックドロップにビジュアルエフェクトが映し出され、プロペラ音のイントロと共に白い公式Tシャツ姿の12人が颯爽と舞台に現れます。2018年度の卒業式でも印象的なパフォーマンスだった「FLY AWAY」。この曲は生徒のみんなも言っていますが、観ている側の気持ちも思いっきり高揚するオープニングの一曲ですね。ダンスを通してフロアにびしびしと伝わるステージ上の気迫。美しいフォーメーションとタイミングも角度もぴったり揃う腕の振り。そしてクール・ストラッティンなウォーキングから凛々しく決めるラストのポージング。センターの萌々穂さんの横顔は不敵なほどにカッコよく、トラックがぶっつりと終わる瞬間、怒号のような歓声にフロアは包まれました。

 

間髪入れずに、2曲目は「オトメゴコロ。」。短いソロが多く、名前をコールできる事もあってライブでは鉄板の盛り上がりを見せる楽曲です。サビの部分で上手・下手の端にそれぞれ位置する白鳥沙南さんとここなさんの迫力が凄まじく、この2人は他の楽曲でもセンターで目立つ場面が多い訳ではなかったのですが、今のさくら学院に安定感と重量感をもたらす要のような存在だと感じました。中等部2年はそういう役どころなのですよね…。2曲が終わってのMCで昼公演に続いてお題付きの自己紹介がおこなわれるのですが、この時点でもう爽葉香さんの前髪はべったりとおでこにはりつき、首筋は汗でキラキラと光っていました。他の生徒も汗だくになっている人が多く、オープニングからパフォーマンスが全力に振り切るものであったことがよく分かります。

 

夜公演のお題は「夏にちなんで 好きなTシャツの色」。僕も(森先生と同じく)思わず、色かよ!12色も出ねえよ!!とツッコんでしまいましたが、3番目か4番目に沙南さんがいきなり「好きな柄は~」と縛りをぶち壊そうとしたのが痛快でした。そして昼夜通じてハムスターという天丼をしっかりと活用した結愛さんもさすがです。MCに続いては「チャイム」~「School days」というTIFでも演じた並びの2曲。この2曲では佐藤愛桜さんがとてもいきいきと楽しそうにパフォーマンスしていたのが印象的でした。生来の真面目さとストイックさがパフォーマンスから滲み出て感じられる愛桜さんですが、それでいて現段階でもステージ前方に出てくればしっかりとフロアを見てレスポンスをしています。咲愛さんもほとんど視線を落とすことはなく、ダンスも小さな身体で弾けるように踊って先輩達に付いて行ってたし、美湖さんは早くもエースの雰囲気を出し始め、今年度の転入生のポテンシャルがこの夏の一回ごとのパフォーマンスで明らかになったように思いました。

 

 続いては昼公演でも演じた「Hana*Hana」。僕にはトラックが刷新されていたように聴こえましたが、どうだったでしょうか?18年度に比べて12人のユニゾンで歌う時に若干幼くなった印象のボーカルがこの曲にはぴったり合っていたと思います。そしてトラックでもドリーミィなシンセと歪んだギターの対比が面白いのですが、指先までひらひらさせるキュートな振り付けをバッキバキに踊る華乃さんが否が応でも目に飛び込んで来るダンス。可愛いと激しいを併せ持つこの曲の魅力を余すところなく表現していました。再びトークを挟み、ここで夜公演の一五一会の演奏が入ります。昼公演よりもかなり近くで観ることができ、シーサーの可愛さもよりダイレクトに。爽葉香さんは演奏しながらしっかりと歌も口ずさんでいました。それから、スイッ スイッの時に美空さんが手の振りを入れていたのですが、すごくリズム感良かったですよね?昼公演に続いて本当に思い出に残る時間となりました。

 

夜公演本編の終盤。今年度ここまでのさくら学院のパフォーマンスを代表する楽曲とも言える「キラメキの雫」、「FRIENDS」が演じられましたが、この時はまさに振り返り映像の中で華乃さんと緒心さんが語った通り、観てる僕も「あと何回観られるんだろう…」という気持ちが強く、特に「FRIENDS」で "そよかの" ペアが下手に来た時には早くも半年後を想像して感極まってしまう有様でした。そして本編のラスト。スタートの立ち位置の時点でまさか?と思い、萌々穂さんが曲振りで「先輩達から受け継いできたものを、次の世代に "運んで" 行きたいです」と言った瞬間に鳥肌が立った、「Carry on」。このライブにおける最大のチャレンジであったであろう一曲が、時計の針の音とウクレレの音色に導かれて静かに始まりました。

 

さくら学院の歴史の中でも「歌」の力が強かった2018年度。その18年度を代表する楽曲である「Carry on」を演じるには、相応に「歌」の実力が伴わなければならないし、ゆったりしたテンポで情感を込めて踊りながらあの繊細な歌を聴かせるのは更に難しいはず。チャレンジだけでも賞賛に値すると思うのですが、この日観た2019年度の「Carry on」はこの時期としては完璧と言っていい出来栄えだと僕は思ったし、その12人の「歌」が届けてくれた感動は、今思い出しても涙が出てくるほどに鮮烈でした。18年度と異なり絶対的な歌の中心がいないハンデは、複数の実力派ソリストが多彩な歌を聴かせる今年度の個性の色へと昇華されていました。ストレートな歌声が心に突き刺さる緒心さん。物憂げでくぐもったような声に虜になりそうな萌々穂さん。中音域が伸び声量が豊かで迫力ある美樹さん。独特のコブシの利かせ方がソウルフルな美湖さん。元々持っているハスキーな声質に、麻生真彩さんの背中を追いかけるような情感を垣間見せた華乃さん。そして、爽葉香さんが、あんなにも「強さ」を感じさせる歌を唄うなんて…。8月18日のちゃおサマーフェスティバルでのゲストライブは観ていませんが、TIFと比較すると明らかにこの日、歌のレベルは格段に上がっていました。個としても、チームとしても。

 

さくら学院は、伝統を受け継ぐと同時に前年度以前の「自分たち」と比較される宿命にあるグループです。2018年9月の放課後アンソロジー、アンコールの「My Road」がぐしゃぐしゃでありながらも限りなくエモーショナルだったのは、自らの内なるものと闘っている状態でも、大きかった先輩たちの存在をなんとか乗り越えようとした「覚悟」が一つ一つの声、仕草にこもっていたからだと思うし、この日の「Carry on」も意味合いは違えど、パフォーマンスがその時、その場所、自分たちだけで完結していないというさくら学院の本質をはっきりと自覚したもののように思えました。そして昼公演の後に感じていた地盤固めのライブというイメージは、完全に覆されました。

 

昼公演よりも時間がかかったアンコール明け、アロハ姿になって再びステージに躍り出て「ミュージック・アワー」、そして何度観てもやっぱりため息が出る美しさの「夢に向かって」をパフォーマンスして、晩夏の暑い一日を一気に駆け抜けた12人はステージを去って行きました。後に残ったのは感動と充実感、多幸感と、少しの寂しさです。さくら学院のライブは本当にいつも素晴らしいけれど、常に一つの "ピリオド" を想起してしまう。ただその時を楽しめばいいのに、しょぼくれたおじさんはいつもそんな事を考えてしまうのです。でもね、これだけは自信を持って言えます。さくら学院のみんなを追いかけた2019年の夏は、間違いなく人生最高の夏だったよ。10月の学院祭で更に進化したパフォーマンスを観られるのを楽しみにしたいと思います。

f:id:poka-raposa:20190901182804j:plain

(写真引用:さくら学院職員室Twitter)

さくら学院 職員室 on Twitter: "本日『さくら学院 Summer LIVE 2019 ~夏のミュージック・アワー~』にお越しいただいた皆様、ありがとうございました!楽しんでいただけましたか?☺️夏の思い出の1ページになっていたら嬉しいです✨… "

 

さくら学院 Summer LIVE 2019 ~夏のミュージック・アワー~ 

(2019年8月24日 マイナビBLITZ赤坂)

 

【セットリスト】

昼公演:

1.負けるな! 青春ヒザコゾウ

2.Hana*Hana

3.Hello IVY

4.チャイム

5.ベリシュビッッ

6.島人ぬ宝(BEGIN)

*有友・森・吉田による一五一会の演奏

7.キラメキの雫

8.FRIENDS

9.message

-encore-

10.ミュージック・アワー(ポルノグラフィティ)

11.君に届け

 

夜公演:

1.FLY AWAY

2.オトメゴコロ。

3.チャイム

4.School days

5.Hana*Hana

6.島人ぬ宝(BEGIN)

*有友・森・吉田による一五一会の演奏

7.キラメキの雫

8.FRIENDS

9.Carry on

‐encore-

10.ミュージック・アワー(ポルノグラフィティ)

11.夢に向かって

 

https://twitter.com/sakura_shokuin/status/11652533532715https://twitter.com/sakura_shokuin/status/1165253353271513088