BABYMETALとさくら学院に出会った

いろんなテーマで、BABYMETALとさくら学院への愛を語ります。

【過去記事抜粋】さくら学院のこと。④ ~さくら学院祭☆2019~

「さくら学院祭☆2019」をレポートした記事から、@onefiveに関する部分を抜粋しました。1stシングルCDのリリースと、新刊雑誌の表紙・メイン記事が決定した事が伝えられた今(2020年5月28日)、およそ半年前に初めてKAAT・神奈川芸術劇場で彼女たちが僕たちの前に姿を現してからの事を振り返ってみると、やむを得ない状況に左右されはしたものの、その道程はやはり一本筋の通ったものだったんだ、とあらためて感じます。

 

6月24日にリリース予定のシングル、「まだ見ぬ世界」。そして翌日発売予定の雑誌「ite」を手に取り、最新の彼女たちに触れた後には、また@onefiveについて新しい文章を綴れたらいいな、と考えています。

 

 

 

~過去記事からの抜粋~

 

◆@onefive ~僕たちはもう一つの奇跡を見ることができるか~

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それは不思議な時間でした。そのあと舞台上で何が起こるのか、その場にいる多くの人が分かっていながら、声も立てず、身動きもせず、固唾を飲んで見守っている、という様子でした。10月19日、さくら学院祭の一日目。本編が終わりアンコールの拍手の向こうから、薄靄のかかったようなSEが流れ始めます。数日前から何度も繰り返し観た映像のバックトラックである事はすぐに分かりました。舞台照明だけが静かに飛び交い、心地よいエレクトロサウンドがしばらく流れると、スクリーンにあの見覚えのある映像が映し出され、そこで初めてKAATは大きな歓声に包まれました。後姿だけは観たことがあった4人の少女たち。色とりどりの衣装に身を包み舞台上に進み出た彼女たちは、僕たちがまだ聴いたことのない曲で、優雅に滑らかに、美しく踊りました。そして、「ありがとうございました。@onefive(ワンファイブ)でした」と言って深々とお辞儀をしたのでした。

 

@onefiveがSNSでその存在を明らかにし、同時に複数の芸能メディアが「全員15歳の謎の4人組ガールズユニット」として紹介したのは10月15日のことでした。公式YouTubeチャンネルにアップされたティザー映像には多くのヒントが隠されているように見え、様々な角度から検証をしてこの「謎の4人組」がさくら学院中等部3年の4人であることを予想する声が、ファンの間からは上がっていました。

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 そして結果的に、予想されたとおり@onefiveは森萌々穂さん(=MOMO)、有友緒心さん(=GUMI)、藤平華乃さん(=KANO)、吉田爽葉香さん(=SOYO)からなるガールズユニットであることが学院祭初日のアンコールの時間で明らかにされた訳ですが、現時点でのアクションはSNSを中心とした限定的なものとなっています。しかしながら、やはりこのユニットは特に彼女たちを以前から知る者にとっては "語るべきこと" が多すぎるのもまた事実です。

 

まず、事前告知からローンチ後も各種のSNSを上手く使っていて、そのアクションは非常に現代的です。作り込んだオフィシャルショットの質の高さと、くだけたオフショットのバランスの良さ。メンバーが選んだプレイリストや、本人が投稿するテキストで感じさせる親近感。SNSは本格的なプロモーション活動に入る前の段階でもファンの受け皿として機能するし、最も手軽でコストがかからない手段です。Music Video撮影時のオフショットは新たに時間とお金をかける必要も無いし、しかも使い方次第では大きな効果があります。更に、そのMVの別バージョンも近日公開予定とのこと。そのあたりの "一回の現場で複数の露出を可能にする" アイデアが上手く回っているからこそ、2019年度が残り半年を切ったこのタイミングでも、@onefiveが(形の上では)独立して活動できているのでしょう。そう、今の時点では彼女たちは全員まだ「さくら学院の最高学年」であり、卒業へ向けた重要な時期を過ごしているという事は忘れてはいけないと思います。

 

@onefiveに関して、今の活動では本来訴求したいファン層へ向けての認知がなかなか広まらないという見方もありますが、個人的には現時点ではこれで良いと思っています。認知を広げることは重要ですが、せっかくファンを獲得できても今はまだそこにアピールできる素材は限られているし、卒業を控えたさくら学院の活動に加えて高校受験も待っている彼女たちには、なかなか身軽な活動は難しいでしょう。ユニットとしてアミューズのアーティストページに記載がなく、個人のアーティストページにも記載がない現状(2019年11月4日現在)、@onefiveは「プレデビュー」という扱いなのではないかと想像しています。これから3月までの期間で様々なマーケティングもされるでしょうし、本格的なデビューへ向けての検討がされ、卒業後に1アーティストとして本腰を入れた活動が始まるのではないかと考えています。

 

そして、現時点で@onefiveの唯一の作品が、デビューシングルとなる「Pinky Promise」です。これは音源、Music Videoの映像ともによく練られた、上質の表現になっていると思います。

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楽曲はアミューズ所属の辻村有記さんと、エイベックスの新レーベルA.S.A.Bに大橋トリオさんなどと共に立ち上げから参加するThe Charm Parkさんによる共作。歌詞は@onefiveの4人と同じ15歳のSSW、YURAさんによるものです。「Pinky Promise」のお披露目となった学院祭の舞台では、@onefiveのユニット名について、メンバーが15歳であることと共に、YURAさんも含めた5人という意味もあると説明され、このYURAさんが描く歌詞がユニットにとって非常に重要であるという事を窺わせました。 そしてもちろん、コレオグラファーとしてMIKIKO先生の名がしっかりとクレジットされています。

 

曲調はエレクトロポップと言っていいと思うのですが、北欧音楽とエレクトロニカをベースに持つ辻村さん、AORから影響を受けアコースティックと打ち込みを融合した温かみあるサウンドが特徴のCharmさんの2人の音楽性を知ると、この曲が持つ個性がよく理解できるような気がします。そしてMusic Videoの映像は楽曲にもよく合っているし、編集は秀逸と言えるものです。さくら学院の制服とは全く異なるカラフルなファッションに身を包み、ヘアスタイルをストレートで揃え、華やかながらも決して品を失わないメイクを施した@onefiveの4人は、無機質なコンクリートや真っ白な背景、風になびく草木をバックに歩き、戯れ、踊ります。特に凝った演出も無くシンプルな作りではあるのですが、寄りのカットも多く、3分強の時間の中に彼女たちのみずみずしい美しさが凝縮されたような素晴らしい作品です。

 

そしてこれは余談みたいなものになりますが、僕は@onefiveが見せる「仲の良さ」がやっぱり好きです。彼女たちが現時点で持っている武器を考えてみると、15歳にしてダンスや歌、表現の基礎が確たるものであることと、数多くの舞台での経験があること。デビュー作でもかなり贅沢なクリエイター陣を招き、質の高い表現が出来ていること。だと思います。そして表現と直接は関係ないのですが、彼女たちならではもう一つの強みが「仲の良さ」だと思います。

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「Pinky Promise」の MVが10万回再生を突破したあと、スペシャル・エディットの公開を予告して新しいティザー映像がアップロードされました。そこから伝わってくる@onefiveの親密な距離感、その空気はMusic Video本編でも垣間見られるものですが、4人が過ごしてきた時間の長さ、共に経験してきたことの濃密さ、築き上げてきた信頼関係は間違いなく強みだと僕は思っています。それはスキルや容姿、知名度とは別の次元で、観ている人たちに「尊い」と感じさせることが出来るものだからです。仲の良い人たち、お互いがお互いを好きということが隠せずに溢れ出している人たちを見たら、僕はやっぱり幸せを感じてしまいます。無理に演出をする必要は勿論ないんですけど、オフの親密な空気を自然のまま見せる事は、見せ方次第で武器になるのでは、と思ったりもしているのです。…余談ですけどね。

 

さて、限られた活動を見て様々なことに考えを巡らせ、要らぬ心配をしてしまうのは僕が「父兄」である以上仕方がないことなのかな、とも思います。しかし、それでも僕なりに分かっているつもりでいるのですが、本当に重要なのはとにもかくにも@onefiveが動き出した、ということです。動き出したということは、続く可能性があるという事です。そして、動き出したということは、彼女たちがそういう「選択」をした、という事です。これは極めて重要で、もしかするとそれが現時点での全てである、と言い切ってしまっても良いことかも知れません。さくら学院はこれまで本当にたくさんの素晴らしい表現者を輩出してきましたが、卒業生がその後もパーマネントに活動を共にしているのは、BABYMETALだけです。在籍期間中に様々な事を学び、成長する多感な少女たち。さくら学院卒業の時点での未来への「夢」が同級生の4人で揃うことは、きっと、それだけでも奇跡的なことなのだと思うのです。

 

彼女たちはまだ15歳で、無限の選択肢があります。きっと彼女たちもそれを知っています。未来なんて誰にも分からないのですが、少なくとも今の時点では、4人は「一緒に夢をつかみたい」と望み、約束してくれた。そのことに僕はただただありがとうございますとしか言えないし、僕たちが学院祭のアンコールで観た@onefiveのステージは、もう一つの奇跡の始まりになるのかも知れない。可能性はゼロじゃないよね?…などと自分で自分に問いかけながら、今日も「Pinky Promise」のプレイボタンを押しています。

 

◇@onefive official YouTube Channel

@onefive - YouTube

◇「Pinky Promise」配信一覧

Pinky Promise

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<元記事>

 

poka-raposa.hatenablog.com

 

 

poka